GA4の画面、正直使いにくくないでしょうか。ちょっとした数字を確認するだけでも探索レポートを組む必要があり、月次の定点観測のたびにポチポチやるのは苦行です。
そこで有効なのが、GA4のデータをGoogleスプレッドシートに自動出力してしまう方法です。Google公式の無料アドオン「GA4 Reports Builder for Google Analytics」を使えば、ノーコードで毎月の自動出力まで設定できます。
ただし、このアドオンには公式ツールらしからぬクセがあります。実際、Google Workspace Marketplaceでの評価は執筆時点で★1.8(69万以上ダウンロードされているにもかかわらず)。
「使えない」という声が多いのも事実です。
この記事では、実際に自分のブログのGA4プロパティで設定しながら、つまずきポイントと回避策も含めて解説します。
Takumaサーチコンソール編とあわせて設定すれば、GSC×GA4の月次データが全自動でスプレッドシートに集まる体制ができます。


GA4データをスプレッドシート化する意味
GA4の管理画面と比べて、スプレッドシートに出すメリットは次の3点です。
- 加工の自由度: VLOOKUP・ピボット・条件付き書式など、スプレッドシートの関数がそのまま使える。GSCデータや独自データ(収益など)との結合も自由
- 定点観測の固定化: 毎回探索レポートを組み直す必要がなく、同じ形式の数字が毎月同じ場所に出てくる
- Looker Studio等への展開: スプレッドシートをデータソースにすれば、可視化ツールへの接続も軽い
なお、GSCと違ってGA4はデータ保持期間の設定(2ヶ月/14ヶ月)こそあるものの、集計済みレポートは残ります。
GSCのような「16ヶ月で消えるから貯める」という切迫した動機ではなく、運用効率化が主目的になります。
GA4 Reports Builderの導入
インストール
- Googleスプレッドシートで新規ファイルを作成
- 「拡張機能」→「アドオン」→「アドオンを取得」
GA4 Reports Builderで検索し、Google公式(提供元: Google)のものを選んでインストール- GA4プロパティにアクセス権のあるGoogleアカウントで「許可」


検索結果には 、Two Minute Reports など高評価のサードパーティ製アドオンも並びます。
★4.8のサードパーティと★1.8の公式、どちらを使うべきか。
この記事では「無料・広告なし・Googleアカウント以外への権限付与が不要」という点で公式を選びますが、公式版でどうしてもエラーが解消しない場合の代替としてGA4 Magic Reports等の選択肢があることは覚えておいて損はありません。
メニュー構成
インストール後は「拡張機能」→「GA4 Reports Builder for Google Analytics™」から操作します。
メニューは3つだけです。
- Create new report: レポート定義の作成
- Run reports: 定義済みレポートの実行
- Schedule reports: 自動実行のスケジュール設定


このアドオンは「設定したら即出力」ではなく、①レポート定義を作る → ②Run reportsで実行するという2段階方式です。
ここを理解していないと「Create Reportを押したのにデータが出ない」と混乱します(定義がシートに書き込まれるだけで、実行は別操作です)。


レポートを作成して実行する
「Create new report」を選ぶと右側に設定パネルが開きます。
- Report name: 月次セッション(任意の名前)
- Account / Property: 対象のGA4プロパティ
- Start date:
30daysAgo(「30日前から」のような相対指定が可能) - End date:
yesterday - Dimensions:
yearMonth,landingPage - Metrics:
sessions,engagedSessions
「Create Report」を押すと「Report Configuration」シートに定義が書き込まれます。
その後「Run reports」を実行すると、レポート名と同名のシートが作成されてデータが出力されます。


出力シートの構造は3段構成です。
- 上部(メタ情報): Last Run On(最終実行日時)、取得件数、Tokens残量
- 中段(Totals For All Results): 期間合計
- 下段(Results Breakdown): ディメンション別の内訳
自動実行を設定する(Schedule reports)
「Schedule reports」を開き、次のように設定します。
- Frequency: every month
- Day: 5
- Hour: 任意の時間帯
GA4のデータは確定までにラグがあるため、月初1〜2日ではなく5日前後の実行が安全です。
設定したら「Save」を押します。
つまずき①:Saveしても成功メッセージが出ない
Saveを押すとパネルが閉じるだけで、成功したのか分かりません。
しかも、サーチコンソール編で紹介したSearch Analytics for Sheetsの「Backup Log」のような実行履歴シートも自動生成されません。
確認方法は「もう一度Schedule reportsを開く」こと。設定値(every month / 5 / 時間帯)がそのまま保持されて表示されていれば、スケジュールは保存されています。



地味ですが、これが唯一の確認手段です。
つまずき②:Tokensという見えない消費制限がある
出力シート上部に「Tokens per quota: 1 consumed / 199998 remaining」という行があります。
これはAPI実行のたびに消費されるクォータで、上限に達すると実行が失敗します。
月1回の実行なら枯渇の心配はまずありません。
ただし、レポート定義を大量に作って毎日実行するような使い方をすると、この制限に触れる可能性があります。
「なぜか実行が失敗するようになった」ときは、まずこの行を確認してください。
つまずき③:(not set) 行が混ざる
出力データには (not set) というlandingPageの行が含まれることがあります。
参照元情報が取得できなかったセッション(計測タグの読み込み前離脱、クロスドメインの設定不備など)で、GA4特有のノイズです。
当サイトの実データでは、(not set)行はsessionsが35あるのにengagedSessionsが0でした。
集計時には除外するか、「計測できていないトラフィックの量を測る指標」として逆に監視対象にするか、方針を決めておきましょう。
つまずき④:上書き方式なので「蓄積」はされない
ここがサーチコンソール編との最大の違いです。
Search Analytics for Sheetsは月ごとに新しいシートが増えていく蓄積型でしたが、GA4 Reports Builderのスケジュール実行は同じシートを最新データで上書きするだけです。
過去データを貯めたい場合は、次のいずれかの対応が必要です。
- Start dateを
365daysAgoのように長めに取り、毎回「過去1年分」を丸ごと取得する形にする(yearMonthディメンションを入れておけば月別内訳が保たれる) - 上書き前のデータを別シートに退避するGASを組む(ノーコードの範囲を超えるので本記事では割愛)



月次レポートの効率化が目的なら上書きで十分。長期蓄積が目的ならStart dateを長期に設定する運用がシンプルです。
GSC編との違いまとめ
| 項目 | GSC (Search Analytics for Sheets) | GA4 (GA4 Reports Builder) |
|---|---|---|
| 提供元 | サードパーティ(無料) | Google公式(無料) |
| 自動化方式 | 月ごとに新シート生成(蓄積型) | 既存シートを上書き(更新型) |
| 実行ログ | Backup Logシートが自動生成 | なし(Last Run Onセルのみ) |
| 設定確認 | Activeバッジ | 再度開いて値の保持を目視確認 |
| 特有の制約 | 1ファイル1系統のみ | Tokens消費制限、(not set)混入 |
思想が違うツールなので、「GSCは資産の蓄積、GA4は定点レポートの効率化」と役割を分けて使うのが現実的です。
まとめ:GA4のデータをスプレッドシートに自動出力する方法
- GA4 Reports BuilderはGoogle公式・無料でGA4→スプレッドシートの自動出力ができる
- ただし評価★1.8のクセあり。「定義→実行」の2段階方式と、成功メッセージが出ない仕様を理解しておく
- Tokens制限と(not set)行という2つの落とし穴に注意
- スケジュール実行は上書き型。蓄積したいならStart dateを長期指定する
- GSC編(→記事1への内部リンク)と組み合わせれば、検索データと行動データの月次収集が全自動になる



設定は15分程度。GA4の画面を開く回数が月1回で済むようになるだけでも、導入する価値はあります。











