2025年、インターネットの構造が大きく揺れ動いています。
AIの進化に伴い、ChatGPTやGemini、Perplexityといった生成AIがWeb上のあらゆるコンテンツを“タダで”収集・学習している現状に、コンテンツ提供者からは不満と危機感の声が上がっています。
そんな中、Webの2割を支える巨大インフラ「Cloudflare(クラウドフレア)」がついに立ち上がりました。
AIに対する“無断収集の制限”と“利用への課金モデル”を打ち出すことで、Web制作者やメディアの権利を守る動きが本格化しています。
この動きが何を意味するのか、今後どう変化していくのかを、詳しく解説します。
- CloudflareはAIクローラーによる無断アクセスをデフォルトでブロックする仕組みを導入
- サイト運営者はAIの利用目的(学習・生成・検索など)に応じて細かく許可設定が可能
- AI企業が情報を使うには「Pay Per Crawl」で料金を支払う仕組みを構築
- TIMEやBuzzFeedなど有名メディアがこの動きに賛同し参加
Cloudflareが「勝手に情報を取るAI」を止める
クラウドフレア(Cloudflare)は、Webサイトの高速表示やセキュリティ対策を提供するインフラ企業で、全インターネットの約20%が同社のネットワークを使っています。
この巨大プラットフォームが新たに発表したのが、AIクローラー(=Web上の情報を自動収集するロボット)のデフォルトブロック設定です。
つまり、Cloudflareを導入しているWebサイトでは、AIによる情報収集が自動的にシャットアウトされるようになります。
これまで、多くのAIクローラーはrobots.txtの指示を無視したり、独自ルートで情報を吸い上げていました。
そのため、制作者が知らないうちに、自分のコンテンツがAIの学習に使われていたという例が後を絶ちません。
Cloudflareのこの動きは、Webの著作権・制作者の利益を守るための“盾”となる可能性を秘めています。
AIの目的によって細かく制御できるように
すべてのAIが悪というわけではありません。
たとえば、Googleのように検索エンジンのためにクロールするAIと、ChatGPTのように生成のために学習するAIでは意味が違います。
Cloudflareは、AIの種類や目的に応じて
- 学習用
- 検索用
- コンテンツ生成用
といった区別を技術的に可能にし、サイト運営者が「どのAIを許可し、どれをブロックするか」を選べる仕組みを作りました。
このように、「全部拒否」か「全部許可」ではなく、個別に調整できる時代へと変わりつつあります。
AIが情報を使いたければ「使用料を支払え」
Cloudflareがさらに注目を集めているのが、新サービス「Pay Per Crawl」の導入です。
これは一言でいえば、
「AIがあなたのサイトを読みたいなら、そのぶんお金を払ってください」という仕組みです。
従来、AIはあらゆる情報を“無料”で吸い上げていましたが、今後はコンテンツ提供者が価格を設定し、AI企業がその料金に同意すれば情報を利用できるというビジネスモデルに移行します。
これは、YouTubeで動画を視聴する際に広告が流れるのと同じように、コンテンツの価値を正当に評価する新しい時代の始まりともいえるでしょう。
TIME、BuzzFeed、Quoraなど、有名メディアも賛同
この仕組みには、以下のような有名企業・メディアが賛同を表明しています。
- TIME(世界的ニュースメディア)
- BuzzFeed
- The Atlantic
- Stack Overflow(プログラマー向けQ&Aサイト)
- ADWEEK
- Quora
- O’Reilly Media
- Ziff Davis(PCMagやMashableなど)
彼らに共通するのは、「無断利用ではなく、正当な対価とルールの下で情報を活用してほしい」という思いです。
BuzzFeedやTIMEなどは、過去にAIに記事を“パクられた”経験を持つとも言われています。
その背景があるからこそ、「もうこれ以上、無料で勝手に使われたくない」という意識が強まっているのです。
Cloudflare CEOが語る「Webの未来」とは?
CloudflareのCEO、マシュー・プリンス氏は次のように語っています。
「インターネットはここ15年間、検索エンジンを中心に成り立ってきた。でも、AIが台頭することで、それが根本から変わろうとしている。これからは、“検索”ではなく“生成”が主役になる時代だ。だからこそ、情報の提供者がもっと発言権を持つべきだ。」
このコメントからも分かるように、生成AIの成長は「Webの経済モデル」を再定義しようとしています。
AI時代、コンテンツは「奪われる時代」から「選ばれる時代」へ!
ここまでのポイントをもう一度まとめます。
- AIが“勝手に”情報を使う時代は終わりつつある
- Cloudflareによって、AIクローラーを自動ブロックできるようになる
- AIに情報を使わせるには、対価を支払わせる「Pay Per Crawl」が登場
- コンテンツ提供者が“主導権”を取り戻すチャンス
私はWeb制作者・SEO専門家として、生成AIの進化をポジティブに捉えています。
しかし同時に、正規のライセンスや著作権を尊重しない情報収集には強い懸念も持っています。
AIと共存していくには、情報の出どころに敬意を払い、フェアな関係を築く仕組みが必要です。
Cloudflareの今回の動きは、その第一歩に過ぎませんが、Webの未来を大きく変える可能性を秘めていると感じています。
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