M&Aというと、法人が行うようなビジネス手法だと考えている人も多いですが、実際には個人でも気軽に会社や事業を売買することができます。
私自身も今年作成したWebサービスを仲介サイトを通して、法人企業へ事業譲渡しました。
やり取り自体はとても簡単で契約書などの難しい作業は全て、仲介サイトが代行して行ってくれます。
今回は事業譲渡を実際に行った経験を元に
- M&Aとはなんなのか?
- 個人で会社や事業を売買するにはどうすればよいのか?
などを分かりやすくまとめてみました。
M&A(合併と買収)とは?
M&A(エムアンドエー:Mergers and Acquisitions)とは、直訳すると「合併と買収」の略語になります。
テレビなどでよく言われる
- A社とB社が合併しました
- C社がD社を買収しました
などはM&Aを指しており、多くの場合が事業の多角化等を目的とした事業戦略を意味しています。
個人M&Aで会社(事業)を買うことができる
最近は個人でもM&Aにより会社や事業を購入する人が増えてきており、資金さえあれば仲介サイトを活用することで簡単に購入することが可能です。
個人が買える会社の業種としては
- 塾・予備校
- 調剤薬局・医院
- 製造業・印刷業
- 飲食店・小売店
- フランチャイズ店
- エステなどのサロン
- 空調・水道の整備業
- webサイト・ECサイト事業
- デイサービス・訪問介護事業
- 旅館・簡易宿泊施設など宿泊業
などがあります。
個人で0から事業をはじめるよりも、既に収益化されている会社や事業を購入した方が、手間も掛からず容易に副業としても取り組めます。
特にサラリーマンの人が最近は副業として会社や事業を購入する人が増えており、実業家として有名なホリエモンもYouTubeなどで発信されています。
事業譲渡する側の主な5つの目的・理由
- 事業者の年齢的な体力の限界
- 事業者の事業意欲衰退
- 事業の後継者がいない
- 今ある事業を整理するため
- 手が回らなくなったから
売り手側の主な目的や理由としては、最近は後継者不足ということもありオーナーが継続して事業を行えないことも問題になっています。
農業分野などがよい例であり、農地や農業機械はしっかりと揃っていても後継者がいなくて、他人に事業譲渡する人も最近は大変多いです。
特に日本はこれから超高齢化社会に突入すると言われており、会社や事業の存続で悩んでいる人は探せばかなり多いはずです。
個人M&AでWeb・ECサイトも手軽に売買できる
M&Aは何も飲食店やサロン等だけではなく、個人で制作したWebサイトやECサイトなども気軽に売買することができます。
たまにTwitterなどをみていると、サイトの記事単位で個人売買している人もいるくらいです。
ニーズが合えばどんなものでもメルカリのように売買することが可能ですので、個人開発してM&Aで大きく稼ぐこともできるでしょう。
また、ベンチャー企業などが分かりやすい例であり、昔はIPO(証券取引所に上場し株式を公開すること)が一つの目標でした。
しかしながら、今はIPOを目指すのではなく多くのベンチャー企業がM&Aを目指して、大きく稼ごうと考えているパターンが多いです。
個人M&Aで売れるWebサイトの3つの特徴・条件
- 収益性が高い
- 良質なコンテンツが揃っている
- 購入者のニーズに合っている
個人M&AでWebサイトやECサイトを売りに出す場合は、どのような方法を用いたとしても今のアクセス数や収益などが価格の目安になります。
値段を決める定義などはしっかりと定めてある訳ではありませんが、基本的には
1ヶ月の純利益 × 12ヶ月 = Webサイトの販売価格
として値段設定している場合がほとんどです。
仲介サイトによっては24ヶ月だったりもしますが、値段自体は売却側が自由に設定できるのでご自身が納得のいく値段でよいでしょう。
ただし、売りに出したWebサイト等が必ずしも売れるとは限りませんので、反応をみながら値段を調節する必要があります。
個人M&AでWebサイトを売買するメリット
個人M&AでWebサイトを売買するメリットに関して、購入側と売却側に分けてそれぞれ詳しくみていきましょう。
購入側の3つのメリット
- 最小限の労力でアクセスを集めることができる
- 専門知識がない市場に参入しやすい
- 既存事業との相乗効果が期待できる
購入側のメリットとしては、Webサイトにおいても最初からコンテンツが充実しており、ある程度の収益が見込める状態であるということです。
1からサイトを制作するには、まとまった時間と労力が必要です。
コンテンツを制作する時間もかなりかかってしまいますので、購入側としてはM&Aを行うことである程度整った状態で、事業をはじめることができます。
売却側の2つのメリット
- まとまったお金が手に入る
- Webサイトの運営から解放される
売却側のメリットとしては、サイトを売却することでまとまったお金が手に入るということです。
Webサイトを売却することで得たお金で、他の事業に投資することもできますし、やりたいことの種銭に当てることも可能です。
また、これまでのサイト運営から解放されるというのも、大きなメリットでしょう。
個人M&AでWebサイトを売買する際の3つの注意点
- 税金に関してしっかりと把握しておく
- 購入・売却のタイミングを逃さない
- 不本意な価格での売買はしない
個人でM&Aを行う場合は、特に購入側は税金に関してしっかりと理解しておくべきです。
せっかくM&Aに成功したとしても、後で(かなりの税金がかかってしまった…)なんてことになっては本末転倒です。
また、売りに出したサイト等が、なかなか希望した価格で成約しないことも多々あります。
価格を下げすぎても損するだけなので、納得のいく価格で成約しない場合は売るのを辞める、という選択も大切になってきます。
税金に関しては購入側も売却側も双方、意識しておいた方がよいですね。
M&Aにおける課税額は売買の規模(主に価格)によって異なるので、わからない場合は税理士に相談するのも一つの手です。
個人M&AでWeb・ECサイトを売買する3つの方法
- 知り合いや友人からの紹介
- M&Aマッチングサイトを活用する
- Twitterなどで募集をかけ個人の間でやりとりをする
個人がM&AでWebサイトやECサイト等を売買する方法としては、M&Aマッチングサイトを活用するのが一般的です。
今はたくさんの個人向けM&A仲介サイトがありますので、利用する際には必ず手数料やサービス内容を把握した上で、決定するようにしてください。
知り合いや友人からの紹介
知り合いや友人からの紹介でM&Aを行う際には、後でトラブルにならないようにしっかりと契約書を作成して行うことが大切です。
M&A仲介サイトを通して行う場合は、仲介サイトが契約書などの面倒なことは全て代行してくれますが、個人間では自身で行わなければなりません。
知り合いや友人だからといって、後でトラブルになることはないだろうと思っていると、足元をすくわれるかも知れません。
M&Aマッチングサイトを活用する
一般的な方法として一番多く活用されているのが、M&Aマッチングサイトを利用するやり方です。
個人で作成した収益性が低いブログなどでも、ラッコM&Aなどのマッチングサイトを活用することで、売買することができます。
M&Aマッチングサイトは今はかなり多いので、必ずサービス内容や手数料面などを比較した上で、利用するようにしましょう。
Twitterなどで募集をかけ個人の間でやりとりをする
個人でSNSを活用して売買相手を募集している人も、最近は増えてきています。
M&Aマッチングサイトを活用しない分、売買における手数料がかならないのでお金を節約できる点が大きなメリットです。
Twitterを活用してお仕事を募集したり、イベント参加を呼び掛けたりする人もいるくらいなので、M&Aの売買相手を探す手段として活用するのも十分アリでしょう。
ただし、双方にある程度のM&Aに関する知識がないと、なかなか話が進まなかったりもするので、その点だけ注意が必要です。
まとめ:個人M&Aでビジネスを加速させよう!
個人で行うM&Aに関してサクッと自身の経験を元にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
個人M&Aを行う上でWebサイト等における売買のメリットは、以下の通りでした。
購入側のメリット | 売却側のメリット |
---|---|
最小限の労力でアクセスを集めることができる 専門知識がない市場に参入しやすい 既存事業との相乗効果が期待できる | まとまったお金が手に入る Webサイトの運営から解放される |
M&Aは個人でも十分行えることなので、ご自身で
- 事業をはじめてみたい
- 副業をはじめてみたい
- 手持ちの事業を手放したい
などと考えている人は、是非とも今回ご紹介した内容を元にチャレンジしてみてください。