リンクビルディングの限界と新時代の答え!デジタルPRに全振りした理由

リンクビルディングの限界と新時代の答え!デジタルPRに全振りした理由
Takuma Oka

外資系SEOスペシャリスト

Takuma Oka (岡 拓馬)

こんにちは、岡 拓馬(おか たくま)です。
このブログでは、海外ノマド×SEO×ストック収入をテーマに、自分の経験や学びを発信しています。

高校卒業後は料理人としてスタートし、その後、航空自衛隊での勤務を経て、2016年からWebライター・SEOコンサルタントとして独立。現在は、海外の外資系企業と契約しながら、フルリモートで働いています。拠点はアジア各国を転々としており、最近はベトナムやタイ、マレーシア、フィリピンなどでノマド生活をしています。

本記事は「blackhatworld」の最新トピックスを翻訳し、独自の意見を加えたものです。

長年、SEOにおける「被リンク獲得=リンクビルディング」は王道の戦略として語られてきました。

しかし近年、その効果や効率に疑問を持つ担当者が増えています。

実際、海外のSEOコミュニティ「BlackHatWorld」でも、「もうゲストポストはやめた。これからはデジタルPRの時代だ」と語る投稿が話題となりました。

筆者は、BHWでリンクを買い続けた経験を持つSEO担当者。彼が語るのは、スパム化した外部リンク市場の現実と、そこから脱却してたどり着いた“データドリブンなPR戦略”の新しい形です。

Takuma

この記事では、その実体験をもとに、なぜ彼が「ゲストポストからデジタルPRへ」と舵を切ったのか、そしてそれが現代のSEOにどんな示唆を与えるのかを紐解いていきます。

目次

なぜリンクビルディングは限界を迎えたのか

SEOの世界では長い間、「リンクを増やすこと」が最も効果的なオフページ対策とされてきました。

しかし、近年この従来型リンクビルディングに限界を感じる人が増えています。

ある海外のSEO担当者(BHWユーザー)は、こう語っています。

「最初はBlackHatWorldでリンクを購入していたけれど、結果は散々だった。“ホワイトハット”のつもりが、スパムドメインからのリンクばかりだった。」

出典:BlackHatWorld

当時の彼は、真面目にSEOを行っていたつもりでした。

しかし現実には、リンクを購入した先の多くがカジノやハッキング系サイトといった危険な外部リンク(OBL)を大量に抱えるドメインでした。

Googleから見れば、それらは信頼性を下げるリンクネットワークであり、むしろ逆効果。「リンクを買う=順位が上がる」という単純な時代は、もう終わっています。

リンクビルディングが抱える3つの問題点

問題点内容SEOへの影響
品質の低いリンクの氾濫カジノ・ハック系などOBLが多いドメインサイト全体の信頼性が低下
自然な関連性の欠如コンテンツテーマとリンク元が一致しないGoogleの「関連性」評価にマイナス
市場価格の上昇DR20以上のサイトでも1リンク80ドル以上が一般的費用対効果が低い・再現性がない

実際に起きていたこと

彼は、最初の頃は「安いリンクを買えば結果が出る」と信じていました。

しかし、実際に被リンクを調べると、リンク元には以下のような特徴が見られたといいます。

  • ドメインに数千の外部リンク(OBL)が存在
  • コンテンツのテーマがSEOと関係ない(ギャンブル、アダルト、ツール販売など)
  • 定期的にドメイン名が変わる
  • トラフィックがほとんどない

つまり、“被リンク数”が多くても、SEO的価値はゼロに近かったのです。

要点
  • リンクの“数”よりも“質”が重要な時代に突入している
  • 安易なリンク購入はスパム判定のリスクが高い
  • 「ホワイトハットSEO」でも、リンク元の選定を誤れば結果的にブラックハットになる

手動アウトリーチの現実 ― 労力に見合わない結果

リンクを「買う」リスクを理解したあと、多くのSEO担当者が次に取り組むのが手動アウトリーチです。

つまり、自らターゲットサイトに連絡を取り、記事掲載やリンク獲得を依頼する方法です。

このBHWユーザーも、まさにその道をたどりました。

彼はツールを駆使して、何百ものメールを送り、数え切れないほどの交渉を重ねたといいます。

使用していた代表的なツール

ツール名主な用途特徴
BuzzStreamアウトリーチ管理メールテンプレートや返信追跡が可能
Hunter.ioメールアドレス収集ドメインから担当者の連絡先を抽出
Apollo.ioデータ管理・送信自動化見込みリストの作成とCRM連携に強い

これらのツールは確かに便利ですが、「成果が出る」保証はありません。

むしろ、効率的に「断られる回数」が増えるだけ、という現実に直面する人も多いのです。

彼が設定していたリンク獲得基準

条件内容
ドメイン評価(DR)20以上
オーガニックトラフィック月1,000以上(安定推移)
外部リンク(OBL)スパムサイトを含まない

しかし、この基準を満たすサイトは少なく、仮に返信をもらえても、1リンクあたり80ドル以上の料金を求められるケースがほとんどでした。

つまり、良質なリンクを求めれば求めるほど、時間もお金もかかる構造に陥っていたのです。

アウトリーチが抱える3つの限界

項目詳細
返信率の低さ数百通送っても、まともな返信は数%。
交渉のストレス「無料で掲載はできない」と断られるやりとりが続く。
スケールしにくい構造一定数のリンクを獲得しても、労力が比例して増える。

彼が下した結論

最終的に彼はこう語っています。

「もうやめた。時間の無駄だ。自分の時間をもっと意味のあることに使いたい。」

つまり、「量をこなせば成果が出る」という従来のリンクビルディングの常識は、すでに崩壊しているということです。

要点
  • ツールを使っても「高品質リンク」は簡単に得られない
  • DRやトラフィック基準を設けても、費用は高騰する一方
  • リンクビルディングは今や“作業ではなく戦略”として再定義すべき段階にある

見つけた突破口 ― デジタルPR(アクティブPR)とは?

何百通のメールを送り、数え切れないほどの断りを受けた末、彼はようやく「別の道がある」ことに気づきました。

それが、デジタルPR(Digital PR)と呼ばれるアプローチです。

リンクを“お願いしてもらう”のではなく、メディアやジャーナリストが自然にリンクしたくなる“話題”をつくるという考え方。

Takuma

この発想は、従来のリンクビルディングとは根本的に異なります。

Reactive PRとActive PRの違い

種類概要主な手法主導権
Reactive PR(反応型)既存の取材リクエストに応じるタイプHARO, Qwoted などジャーナリスト側
Active PR(能動型)自分からニュースやデータを提案するタイプ独自調査やトレンド分析を発信企業・SEO担当者側
Takuma

彼が取り入れたのは後者の「Active PR」。つまり、受け身ではなくデータドリブンで話題を生み出す戦略です。

実際に行ったこと

彼は、特定業界に関するデータを集め、それをストーリー化してジャーナリストに直接提案しました。

たとえば…

  • 「検索トレンドデータを使った市場分析」
  • 「SNS上での話題ランキング」
  • 「地域別の消費動向」

このような“客観的でニュース価値のあるテーマ”を提示することで、メディアが自主的に取り上げ、リンクを張ってくれるのです。

参考にした情報源

彼がインスピレーションを得たのは、YouTubeチャンネル「Fery’s Search Intelligence」

出典:Fery Kaszoni

このチャンネルでは、実際に企業がどのようにデータを活用して、PRメディア露出を実現しているのかが紹介されています。

Takuma

デジタルPRは単なるSEO施策ではなく、“話題を設計するマーケティング活動”といえるでしょう。

デジタルPRの強み

項目内容
高品質リンクを無料で獲得有名メディアから自然リンクが得られる
ブランド露出とSEOを同時に強化記事掲載が指名検索やSNS拡散を促す
長期的な資産化一度の露出が他メディアへの波及を生む
要点
  • リンクを“頼む”時代から、“話題を生み出す”時代へ
  • SEO担当者がジャーナリストの思考を理解することが重要
  • 成功するPRの裏側には、「データ+ストーリー」が必ずある

実際の成果 ― 有名メディアからリンクを獲得

アクティブPR(デジタルPR)に切り替えた結果、彼は驚くほど短期間で成果を出しました。

最初のキャンペーンで、なんとMen’s Journal(米国の有名メディア)からリンクを獲得。

それも広告費ゼロ、完全に“自然な形”で実現したのです。

彼の言葉

「最初のキャンペーンで、クライアントサイトがMen’s Journalに掲載された。
しかも1円も払っていない。これがアウトリーチとの最大の違いだ。」

この一言に、デジタルPRの本質が凝縮されています。

リンクを“買う”のではなく、“生み出す”——。

まさにパラダイムシフトといえる変化です。

成果の比較表

項目従来のリンクビルディングデジタルPR
手法手動メール・ゲストポストデータを基にしたニュース提案
費用1リンク80ドル〜(交渉含む)0ドル(ネタ制作のみ)
平均DR20〜3050以上(大手メディア含む)
所要時間数週間〜数ヶ月1〜2週間で成果が出るケースも
副次効果被リンクのみブランド露出・SNS拡散・信頼性向上

成果が出た理由

項目詳細
データの信頼性が高かった実際の検索データや統計を使用。メディアが引用しやすい内容だった。
タイミングが良かったジャーナリストの関心が高いトピック(季節・トレンド)を選定。
ストーリー性を意識した数字だけでなく、「なぜこのデータが重要か」を明確に語った。

デジタルPRの再現性

この手法は「運」ではありません。

以下の3つの要素を抑えれば、誰でも再現可能です。

要素内容
データの切り口GoogleトレンドやSNS分析など、客観的な指標を活用
ニュース性社会的関心・季節・文化など、タイムリーな話題を選ぶ
提案先の選定メディアリストを整備し、関連性の高い媒体へピッチする

教訓

  • リンクビルディングの「作業量」で勝負する時代は終わった
  • 代わりに求められるのは、“ストーリーをつくる力”
  • 有名メディアの1本のリンクは、100本の中小リンクよりも価値がある
要点
  • Men’s Journalのような大手メディアでも、データと企画力次第で掲載される
  • アウトリーチで数十通のメールを送るより、1つの良質なネタが強い
  • PRを通じた被リンクは、「SEO+ブランド露出+信頼性」を同時に生む

デジタルPRがもたらすSEOへの新しい価値

デジタルPRは、単なる「被リンク獲得手法」ではありません。

それは、Googleが評価する“信頼性の設計”そのものです。

近年のSEOでは、リンクの“数”ではなく、誰に、どのような文脈で紹介されたかが重視されるようになりました。

つまり、PRを通じてメディアや業界関係者から自然にリンクされることは、Googleに対して「このサイトは信頼できる」という強力なシグナルを送る行為なのです。

デジタルPRとE-E-A-Tの関係

E-E-A-T要素デジタルPRによる貢献具体例
Experience(経験)実データや調査結果を公開し、一次情報として発信独自リサーチや統計分析記事
Expertise(専門性)専門分野に関する意見・知見をメディアが引用インタビュー掲載や業界コメント
Authoritativeness(権威性)権威あるメディアからのリンク獲得Men’s Journalなど大手媒体からの紹介
Trustworthiness(信頼性)外部からの正当な評価・露出による信頼獲得SNS・検索上でのブランド名拡散

このように、デジタルPRは「SEO」だけでなく、サイトやブランドの信頼性全体を押し上げる役割を果たします。

デジタルPRがもたらす副次的効果

項目詳細
ブランド検索(指名検索)の増加メディア掲載により、「サイト名+キーワード」で検索される頻度が上がる。
クリック率(CTR)の向上有名メディアに取り上げられると、検索結果上での信頼度が高まる。
自然リンクの連鎖1つの掲載をきっかけに、他メディアやブログからも引用される。

アウトリーチ型との根本的な違い

項目従来のリンクビルディングデジタルPR
目的被リンクを増やすブランドと信頼を構築する
手段メール交渉・ゲスト投稿データとニュースで露出を獲得
成果の尺度リンク数・DR記事露出・ブランド検索・自然リンク
継続性一時的長期的に資産化可能

海外SEO業界でもトレンド化

近年、Moz・Ahrefs・Search Engine Journalなどの主要メディアでも、「Digital PR = 次世代のリンクビルディング」として紹介される機会が増えています。

特に、AI時代のSEOではコンテンツが大量生成されるため、他者が引用したくなるコンテンツをつくるPR的発想が差別化の鍵になっています。

要点
  • デジタルPRはE-E-A-Tを高める最強のリンク戦略
  • ブランド露出・信頼性・被リンクを同時に向上できる
  • 短期ではなく“長期的なSEO資産”として機能する

まとめ:SEO担当者が今こそPR思考を持つべき理由

リンクビルディングの世界は、この数年で大きく変化しました。

かつては「リンクを増やせば順位が上がる」と信じられていた時代もありましたが、今は“どこから、どんな文脈でリンクされたか”が問われています。

つまり、リンクビルディングは作業ではなく戦略。そして、その戦略の中心にあるのが「PR思考」です。

従来のように、

  • 外注で被リンクを購入する
  • 大量のメールを送り交渉する

といったやり方は、短期的な成果こそ出ても、ブランドや信頼性の構築にはつながりません。

一方でデジタルPRは、

  • データを活用して話題を作る
  • 自然な形でメディアに取り上げられる
  • 結果的に高品質リンクと信頼を同時に得る

という「長期的なSEOの資産化」を実現します。

今後のSEO担当者に求められる3つの視点

視点具体的アクション
① データ視点Googleトレンド・SNS・独自調査などの数値を活用
② ストーリー視点数字だけでなく“なぜ”を語る物語設計
③ メディア視点記者や読者が価値を感じる切り口を意識

彼が体験したように、「もうゲストポストはやめた」という決断は、単なる戦略変更ではなく、“SEOの本質回帰”です。

Googleが求めているのは、リンクの数ではなく、信頼される情報と、その情報を語る人の信用。デジタルPRは、その信頼を最も自然な形で積み上げていく手段なのです。

リンクビルディングの限界と新時代の答え!デジタルPRに全振りした理由

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この記事を書いた人

Takuma Oka Takuma Oka 外資系SEOスペシャリスト

SEO・AI・web3が大好きなWebマーケターです。フィリピン(マニラ)外資系企業で『日本人SEOスペシャリスト』としてフルリモート勤務。サイトM&AやKindle出版、Udemy講師の経験も。元航空自衛官。主に東南アジア諸国を拠点にしています。SEO歴は9年目です。趣味は、中国語の勉強とランニング。

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