自衛官から消防士への転職を成功させるためのコツ!給料・年収・待遇面の違いを徹底比較
- 自衛官から消防士に転職するにはどうしたらいいのか?
- 自衛官としての経験を、消防士としてどのように活かせばいいのか?
- 転職時の給料や年収、待遇の違いについて気になっている
このような悩みを持っている方が、多いのではないでしょうか。
この記事では、自衛官から消防士への転職を成功させるための具体的なコツや、給料・年収・待遇面の違いを徹底的に比較し、わかりやすく解説しています。
自衛官の強みを最大限に活かす方法や、転職時のポイントについても詳しくお伝えします。
この記事を最後までお読みいただくことで、自衛官から消防士への転職をスムーズに進めるための準備が整うことでしょう。
自衛官から消防士への転職のメリットとデメリット
自衛隊と消防士は同じ公務員ではありますが、それぞれ『特別国家公務員』と『地方公務員』という扱いになるため、給与体系や待遇などが全く異なります。
ここでは、給料や待遇、仕事内容、社会的な評価などの項目に分けて、それぞれの職種の違いを詳しくみていきましょう。
給料や待遇の違い
総務省が行った調査資料「令和3年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によると、消防士の平均年収は635万円です。
消防士としての給料や待遇は、勤務地や経験年数によって変動します。一般的に、都市部の消防署では給料が高めであることが多いです。
対して、自衛官は階級や勤続年数、各種手当によって年収が異なるため、一概に比較するのは難しいといえます。
仕事の内容や働き方の違い
自衛官は国の安全を守るための業務に従事していますが、消防士は市民の生命や財産を守るための業務に従事します。
そのため、日常の業務内容や緊急時の対応が異なります。消防士としては、火災や救急救命活動が主な業務となるでしょう。
対して、自衛隊はその組織の中でも様々な職種に分かれており、どのような職種に採用されるかによって勤務体系や仕事内容が異なります。
消防士には、自衛隊のような基地内での生活を強いられるような制度はなく、プライベートの自由度でいえばまだ自衛隊よりも消防士の方が高いといえるでしょう。
また、地元で働くことができるという点も、消防士の魅力かも知れません。
社会的な評価や人間関係の違い
自衛官としての社会的な評価は、国の安全を守る役割として高い評価を受けています。
一方、消防士もまた、市民の生命を守る役割として高く評価されています。
人間関係の面では、消防署内での連携やチームワークが非常に重要です。
消防士には、自衛隊のような徹底された集団行動などはないため、人間関係のトラブルに関しては自衛隊よりも少ないといえるでしょう。
防衛省の調べによると自衛隊の離職率が、32%(新卒就業者は約3年以内に退職している)なのに対して、消防士の離職率は0.6%です。
離職率の大きな違いからも、働きやすさや待遇、人間関係の良好度が伺えます。
自衛官から消防士に転職するための流れ
自衛隊から消防士へのスムーズな転職を実現するための、具体的な流れを知ることはとても大切です。
ここでは、自衛官から消防士への転職を検討しているあなたのために、そのステップを詳しく解説します。
1.消防士としてのキャリアビジョンを描く
自衛隊に勤務しながら、具体的なキャリアプランを考える必要があります。
退職してから消防士になるのも一つの手段ですが、採用試験の勉強は自衛隊に勤務しながら取り組むのがおすすめです。
2.各自治体の採用情報をチェック
希望する地域や消防署の採用情報を確認し、試験日程や受験資格などを把握します。
消防士の採用試験は、各自治体ごとに実施されています。
あなたが勤務したい自治体の情報を確認した上で、試験勉強のプランを立てましょう。
3.採用試験の申し込みと受験
各自治体が行なっている『消防官採用試験』では、一次試験に筆記・体力テストなど、二次試験に面接試験が実施されます。
性別 | 身体要件 |
---|---|
年齢 | 18歳以上29歳以下 |
身長 | おおむね160センチメートル(女性にあってはおおむね155センチメートル)以上 |
体重 | おおむね50キログラム(女性にあってはおおむね45キログラム)以上 |
胸囲 | 身長のおおむね2分の1以上 |
視力 | 視力(矯正視力を含む。)が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること。 |
色覚 | 消防吏員の職務執行に重大な支障がないこと。 |
聴力 | 正常であること(オージオメータを使用し、純音聴力検査により実施する。)。 |
肺活量 | おおむね3,000立方センチメートル(女性にあってはおおむね2,500立方センチメートル)以上 |
その他 | ・体質が健全で、四肢関節に障害等の異常がなく、諸機能が正常であること。 ・精神機能及び神経系統に異常がないこと。 ・言語明瞭で十分な発声ができること・ ・消防吏員の職務執行上、支障のある疾患のないこと。 |
基本的な試験の流れは、どの自治体も同じです。詳細に関しては、各自治体の公式サイトを確認するか、直接問い合わせてみましょう。
一次試験:消防官採用試験(教養試験・論文試験・適性検査・体力テスト)
項目 | 詳細 |
---|---|
試験の回数 | Ⅰ類:年2回 Ⅱ・Ⅲ類:年1回 ※試験時期は、各自治体によって異なる。 |
試験形式 | 択一式:40~50問 試験時間:120~150分 |
試験科目 | 「文章理解」「英文理解」「判断推理」 「空間概念」「数的推理」「資料解釈」 (以上、知能分野) 「人文科学(国語、歴史、地理)」 「社会科学(法学、政治、経済、社会事情)」 「自然科学(数学、物理、化学、生物)」 |
論文(作文) | 800字程度 試験時間:60~120分 |
合格率 | 約15〜20%(難易度はやや高め) |
地方公務員試験(市役所)と比較しても遜色ない難易度の高さとなっており、受験者の約5人に1人が受かるイメージです。
自衛官として長く働けば働くほど一般知識を忘れてしまう可能性が高いため、消防士への転職を考えだした時から、少しづつ計画的に試験勉強に取り組むのが良いでしょう。
また、体力テストでは以下のような項目が実施されます。
- 握力テスト
- 上体起こし(30秒)
- 長座体前屈
- 反復横跳び(20秒)
- 20mシャトルラン
- 立ち幅跳び
筆記試験に関しては、過去問を中心に学習するのがおすすめです。体力テストに関しては、自衛官であれば問題ないでしょう。
二次試験:面接(集団面接・個人面接・集団討論など)
面接形式に関しては、各自治体によって異なります。個人の場合もあれば集団面接の場合もありますので、必ず詳細は確認するようにしましょう。
一般的な消防士の面接試験では、以下のような内容を聞かれることが多いです。
- どうして消防士になりたいのか?(志望動機)
- 消防士になってどんなことをやりたいか?
- 学生時代に特に頑張ったことは?
- あなたの趣味や特技に関して教えてください。
- あなたはどんな性格だと言われることが多いですか?
- 集団生活は大丈夫ですか?
- 前職を辞めた理由を教えてください。
面接は、練習して場数を踏めば慣れますので、本番前に必ず練習をある程度行うようにしましょう。
4.消防学校へ入学
消防士採用試験に合格した後は、消防学校へ入学します。高卒の場合は、6ヶ月間消防学校で訓練を行う必要があります。
具体的に消防学校で学ぶ内容は、以下の項目です。
- 基礎教育:消防士としての法制度・服務規則など
- 実務教育:消防用設備・建築・救急に関する知識など
- 実科訓練:体力訓練や消防活動に必要な道具の使い方など
自衛隊で言うところの『教育訓練』と同じイメージです。
5.消防士としての新たなスタート
消防学校を卒業すると、晴れて消防士として現場で活動できるようになります。
自衛官から消防士への転職の道のりは非常に長いですが、一つずつ課題をクリアしていけば、消防士になることも夢ではありません。
まずは、しっかりと計画を立てた上で取り組むことが重要です。
自衛官から消防士への転職を成功させるためのコツ
ここでは、自衛官から消防士への転職を成功させるためのポイントを3つに絞って、詳しく解説します。
自分の強みや経験を明確にする
あなたの自衛官としての経験やスキルは、消防士としてのキャリアにも大きな強みとなります。消防試験では、強みをどのようにアピールするかが鍵となります。
実際にあなたの自身の強みを明確化するために、過去の実績や経験を一度紙にリストアップしてみましょう。
そうすることで、履歴書や面接試験などで具体的に試験官に対して、強みをアピールすることができるはずです。
自衛隊での経験が消防士としてどのように役立つかを考え、明確に伝えることが重要です。
消防士としてのキャリアビジョンを描く
転職活動では、自分が将来どのような消防士になりたいのか、そのビジョンを持つことが大切です。
例えば、どのような部門や専門分野に興味があるのかや、5年後・10年後の自分はどのようになっていたいのかなどが挙げられます。
これらのビジョンを明確にし、それをもとに転職活動を進めることで、目的に合った職場を見つけやすくなります。
転職活動のタイミングを見極める
転職のタイミングは非常に重要です。早すぎても、遅すぎても、最適な職場を逃してしまう可能性があります。
自衛隊の任期や契約更新のタイミングを考慮した上で、市町村の消防士の採用情報や試験日程を早めにチェックし、計画的に行動するようにしてください。
自衛隊を退職するのにも意外に時間と手間がかかりますので、退職の手順やタイミングなども計画した上で実行に移しましょう。
自衛官の消防勤務と市町村の消防士の違い
自衛官としての消防勤務と、市町村の消防士としての勤務。これらは似ているようで、実は多くの違いがあります。
自衛官としての経験を持つあなたが、市町村の消防士としてのキャリアを考える際、これらの違いを知ることは非常に重要です。
ここでは、その主な違いを詳しく解説します。
仕事内容や業務の違い
自衛官の消防勤務 | 市町村の消防士 |
---|---|
・主に自衛隊の施設や基地内での火災や事故への対応が中心。 ・特定の装備や車両の操作、保守が求められることも。 ・災害派遣時には、広範囲な救助活動や復旧作業に従事することも。 | ・地域の住民や施設を対象とした幅広い救急救命や火災対応が中心。 ・教育活動や予防活動も重要な役割として担う。 ・地域住民とのコミュニケーションが求められる場面も多い。 |
自衛官の消防勤務は、基本的に基地内の施設を対象とした消火活動を前提としています。
そのため、よっぽどのことがない限り民間の消火活動に参加することはありません。それらは、消防士の管轄になるからです。
ただし、大規模地震などの自然災害が起きた際には、積極的に出動し市町村の消防士と協力しながら消火活動や救命活動にあたります。
給料や待遇の違い
自衛官の消防勤務 | 市町村の消防士 |
---|---|
・給与は自衛官としての階級や勤務年数に応じて決まる。 ・住宅手当や家族手当などの福利厚生が充実している場合も。 | ・給与は勤務する自治体や経験年数によって異なる。 ・24時間体制のシフト勤務のため、夜勤手当や休日出勤手当が加算されることも。 ・一部の自治体では、住宅手当や家族手当などの福利厚生が提供される場合も。 |
自衛隊内で職種が『消防』になったとしても、基本的な給料体系は他の職種と変わりありません。
給料や待遇面で比較すると自衛隊よりも、消防士の方が規制が少なく、プライベートも確保されている分良いといえます。
自衛官から警察や消防士等の他の職種への転職を考える際のポイント
自衛官としての経験は、多くの職種での転職において大きな強みとなります。
特に警察や公的機関への転職は、自衛官のスキルや経験が活かされる場面が多いでしょう。
しかし、転職を成功させるためには、各職種の特性や求められるスキルを理解することが重要です。
ここでは、そのポイントを詳しく解説します。
警察への転職のメリットやデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・自衛官としての訓練や経験が、警察官としての業務に活かされることが多い。 ・社会的な評価が高く、安定した職種としての魅力。 ・さまざまな部署や専門分野でのキャリアアップが可能。 | ・警察官としての業務は24時間体制であり、生活リズムが不規則になることも。 ・精神的なプレッシャーやストレスが伴う業務が多い。 ・転職試験や研修を受ける必要がある。 |
消防士への転職を検討している人の中には、警察官への転職も視野に入れている人も少なくありません。
実際に自衛官から警察官へ転職する人は意外に多く、消防士同様に公務員試験に合格した後に、警察学校へ入学する必要があります。
他の職種への転職を考える際の注意点
自衛官から異なる職種への転職を考える際には、以下の点に注意して進めることが重要です。
- 適性と興味を確認する:新しい職種に興味を持つだけでなく、その職種に必要なスキルや適性を持っているかをしっかりと確認する。
- 職種の実態を理解する:転職先の職種の日常業務や求められるスキル、キャリアパスなどの実態をしっかりとリサーチすることで、後悔のない転職を目指す。
- 転職活動の準備を徹底する:履歴書や職務経歴書の作成、面接対策など、転職活動に必要な準備をしっかりと行う。特に、自衛官としての経験をどのようにアピールするかは重要なポイント。
- ネットワークを活用する:知人や先輩、転職サポート機関などのネットワークを活用して、転職活動の情報収集やアドバイスを受けることがおすすめ。
- 転職後のキャリアビジョンを明確にする:転職を成功させるためには、転職後のキャリアのビジョンを明確に持つことが大切。どのようなポジションや役職を目指すのか、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを考えることで、転職活動の方向性が見えてくる。
異なる職種への転職は、新しい挑戦として非常に魅力的です。
しかし、その魅力に飛びつく前に、上記の注意点を踏まえて、しっかりとした準備と計画を立てることが成功の鍵となります。
決して、勢いだけで転職しないようにしてください。
自衛隊、警察、消防士の社会的評価
自衛隊、警察、消防士。これらの職種は、国民の生活を守るために日々奮闘している尊敬される職種です。
しかし、それぞれの職種には異なる社会的評価やイメージがあります。ここでは、これらの職種の社会的評価について詳しく解説します。
どの職種が「モテる」のか?
どの職種がモテるのかは、一概には判断できません。それぞれの職種には、次のようなイメージがあります。
- 自衛隊: 厳しい訓練を乗り越え、国を守る使命を持つ。そのため、強い意志や体力を持つ人が多いというイメージ。
- 警察: 社会の安全を守るために日々奮闘している。正義感が強く、頼りがいがあるというイメージが強い。
- 消防士: 命を救うために、火災や事故現場で活躍する。勇敢で、人命を第一に考える姿勢が評価されている。
これらのイメージは、多くの人々にとって「モテる」要素として捉えられることが多いです。
社会的な評価やイメージの違い
それぞれの職種における社会的な評価やイメージとしては、次のような内容がよく挙げられます。
- 自衛隊:国際的な活動や災害派遣など、多岐にわたる活動を行っている。しかし、軍事的な側面も持つため、賛否が分かれることも。
- 警察:社会の治安を守る役割を持ち、その活動は日常生活に密接に関わっている。一方で、厳格なルールや法律を守る立場から、厳しいイメージも。
- 消防士:火災や救急救命活動など、人々の命を直接守る役割を持つ。そのため、非常に高い評価を受けている。
どのような職種にも悪いイメージを持っている人は一定数いるため、過剰に客観的な評価や評判を気にする必要はありません。
あくまでも参考例(一つの意見)として、受け止めておきましょう。
自衛官から消防士に転職を考えている人によくあるQ&A
ここでは、自衛官から消防士への転職を考えている方ありがちな、質問に関する答えを分かりやすくまとめました。
Q:自衛官の経験は消防士としてどれくらい評価されるのか?
自衛官としての経験は、消防士としての業務に非常に役立ちます。
特に、緊急時の対応やチームでの連携など、自衛官としての訓練や経験が高く評価されることが多いです。
Q:消防士の採用試験は難しいのか?
消防士の採用試験は、物理的・知識的な部分が求められますが、自衛官としての経験を活かすことで、一定のアドバンテージを持つことができます。
Q:自衛官としての経験を活かすためのおすすめの部門は?
救急救命や特別高度救助隊など、緊急時の対応や高度な技術が求められる部門で、自衛官としての経験を最大限に活かすことができます。
Q:転職後の待遇や昇進のスピードはどうなるのか?
転職後の待遇や昇進のスピードは、入職時の経験やスキル、部門によって異なります。
しかし、自衛官としての経験を正しくアピールすることで、良好な待遇を受けることが期待できます。
Q:自衛官から消防士への転職を考える上での最大の障壁は何か?
最大の障壁は、自衛官と消防士としての業務内容の違いを理解し、その違いを乗り越えることです。
十分な準備と情報収集を行うことで、この障壁を乗り越えることができるでしょう。
自衛官から消防士への転職は計画的に行おう
自衛官から消防士への転職は、あなたの人生においても大きな決断となることでしょう。
転職を成功させるためには、自身の経験やスキルの整理、目指す消防署の情報収集、適切な転職タイミングの見極め、サポート機関の活用、そして面接や試験の対策が必要です。
計画的に行動し、新しいキャリアへの道をしっかりと築きましょう。
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