フィリピンの就職市場については、ネット上だと情報が少なく感じるかもしれません。
本記事ではフィリピンの就職事情から始め、30代日本人の実際の体験談をもとに、求人の探し方や給料について詳しく解説します。
最後までお読みいただくことで、あなたもフィリピンでの就職に関する知識を深め、新しいキャリアの一歩を踏み出す準備が整うでしょう。
フィリピン就職の魅力

フィリピンでの就職は、多くの日本人にとって新しい風景、文化、そしてキャリアのチャンスと言っても過言ではないでしょう。
実際にフィリピンで一度就職した後に、アメリカやシンガポールなどに転職される日本人も珍しくありません。
海外でのキャリア構築の第一歩目としては、フィリピンはとても働きやすい環境だといえます。
経済成長が続くフィリピンでは、日本人のスキルや経験が高く評価され、多様な業界での求人が増えています。
フィリピンの経済状況と日本人の役割
日本貿易振興機構(JETRO)の調べによると、フィリピンの経済は近年急速に成長しており、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比で4.3%となりました。
しかし、成長率は2023年第1四半期(1~3月)の6.4%から低下しています。
成長が抑制された原因として、商品価格の高騰、政策金利の引き上げ、政府支出の減少、世界経済の成長の鈍化などが挙げられています。
特に、サービス業は6.0%の成長を見せており、運輸・倉庫や宿泊・飲食などが高い伸び率を維持している状況です。
日本とフィリピンの経済関係も深まっており、多くの日本企業がフィリピンに進出しています。
日本人は、BPOビジネスの橋渡し役や技術・ノウハウの伝達役として、フィリピンの経済成長に貢献しています。
フィリピンでのビジネスの成功には、日本人の経験やスキルが不可欠となっており、今後もその役割は増していくことが予想できるでしょう。
BPOビジネスとは「Business Process Outsourcing」の略で、企業が自社の業務プロセスの一部または全部を、専門性を持つ外部のサービス提供者に委託することを指します。
コスト削減や業務の効率化、専門的なサービスの利用などのメリットを享受することが可能です。
例えば、コールセンターサービスや経理、人事業務などがBPOの対象となります。
フィリピン求人市場の特徴と日本人に人気の職種
フィリピンの求人市場は、多岐にわたる業界で拡大しています。
特に、IT、コールセンター、教育などの業界での求人が増えており、日本語能力を持つ日本人は特に需要が高いです。
業界(職種) | 詳細 |
---|---|
IT業界(プログラマー・エンジニア・Webマーケターなど) | フィリピンのIT業界は急成長しており、プログラマーやエンジニアとしての求人が増えています。システムエンジニアの求人では、給与レンジはPhp 80,000 – Php 200,000程度となっており、JavaやPHPなどのプログラミングスキルが求められます。 |
金融業界(コールセンター・営業など) | 日本語を話すオペレーターが求められており、日本人向けの求人も多いです。 日本語のみのコールセンタースタッフの求人では、給与レンジはPhp 50,000 – Php 80,000程度となっています。 |
教育業界(日本語教師・語学学校のサポートスタッフなど) | セブには日本人が経営している英会話スクールが100以上存在し、給与レンジはPhp 60,000 – Php 100,000程度となっています。 |
観光業界(事務スタッフ、ツアーガイドなど) | 観光業界に関する求人情報は、特にセブ島側に集中しています。コロナ以前と比較して観光客が戻ってきているため、日本人スタッフを募集している企業も珍しくありません。給料面に関しては、日系企業が多いことからそこまで良いとは言えません。 |
製造業界(日系企業の現場監督、マネージャーなど) | 製造業に関する求人情報は、比較的に経験者を募集している場合が多いです。日本でもともと製造業に携わっていた人であれば、ある程度良い条件で就職することができるでしょう。 |
フィリピンの求人市場は、比較的柔軟な雇用形態が多く、短期間の契約やインターンシップなど、さまざまな形態での就職が可能です。
フィリピンでのキャリアをスタートしやすく、また、キャリアチェンジもしやすい環境が整っています。
フィリピン就職するための方法

ここでは、フィリピンでの就職活動をスムーズに進めるための方法を紹介します。
転職サイト・転職エージェントの活用
フィリピンには、日本人向けの転職サイトやエージェントが多数存在します。
どちらを利用するにしても自分から主体的に行動して、情報収集を行うようにしましょう。
エージェント側は、あくまでもビジネスとしてあなたをサポートしている訳であり、中には入社した後のあなたのことなどどうでも良いと思っている会社も多いです。
特に海外では不透明な部分も多いため、少しでも気になることがある場合は、必ずあなた自身で事実確認を行なってください。
- JKネットワーク:フィリピン以外の国の求人情報も掲載
- doda:キャリアアドバイザーのサポートが手厚い
- リクルートエージェント:業界最大手の転職エージェントだから安心
- ビズリーチ:ハイクラスのフィリピン就職を狙っている人向け
友人・知人の紹介
すでにフィリピンで働いている友人や知人からの紹介は、信頼性が高く、求人情報の質も高いことが多いです。
場合によっては推薦状などを一筆書いてもらえれば、採用される確率も非常に高くなります。
ただし、中にはあなたのことを騙そうとする日本人もいるかも知れません。
人の紹介で就職を検討されている方は、本当に信頼できるか見極める必要があるでしょう。
フィリピンでの就職までの流れ

ここでは、フィリピンでの就職までの具体的な流れを詳しく解説します。
①求人への応募・必要書類の提出
転職エージェントサイトから気になる求人情報に応募した後は、担当スタッフから折り返し必要な書類を提出するようにいわれます。
具体的に必要となる書類は、以下のとおりです。
- 履歴書:基本的な個人情報や職務経歴、スキルなどを記載します。
- 職務経歴書:詳しい職務内容や実績を具体的に記載します。
- 英語の履歴書:英語版の職務経歴書のようなものです。
- 推薦状:以前の職場や知人からの推薦状が求められる場合もあります。
推薦状はあれば良いですが、ない人はなくても大丈夫です。
英語の履歴書に関しては、転職エージェントの担当スタッフにテンプレートがないか尋ねてみてください。
万が一、テンプレートがない場合はネット上の無料テンプレートを活用しましょう。

- 税込み表記(Gross):給料から税金が引かれる前の金額です。
- 手取り表記(NET):給料から税金が差し引かれた後の、最終的な手取り額です。
②書類審査
応募書類が企業に到着した後、書類審査が行われます。
この段階で、あなたの経験やスキルが企業の求める条件に合致しているかを確認されます。
基本的に書類審査で落とされることはないかな、といった印象です。
フィリピンでは日本人の需要が比較的に高いため、とりあえず面接してから判断しようと考える人事スタッフが多いです。
③一次面接・二次面接
書類審査を通過すると、オンライン面接に進みます。
応募企業によっては三次面接まで実施されるかも知れませんが、基本的には二次面接までといった企業が多いです。
- 一次面接:あなたの人柄やモチベーションを確認するための面接です。
- 二次面接:技術的なスキルや業務経験を深く掘り下げて確認する面接です。
僕の場合は、一次面接では最初に日本語でこれまでの経歴やスキルなどを確認され、その後英語で少し雑談しました。
一次面接では、給料や待遇などに関するあなたの希望を聞かれます。そのため、事前にある程度の条件を定めておくようにしてください。
二次面接では、直属の上司になる方が技術的な話をされ、本当に業務に取り組めそうか確認されました。
具体的な業務内容に関しては、二次面接で詳しく聞いておくようにしましょう。
入社してから(思っていたのと違った…)となっては、後の祭りです。
オンライン面談であれば私服(清潔感のある服装)でもOKです。万が一、オフラインで行う際には一度、担当者に尋ねるようにしましょう。
④日本語試験
応募先の企業によっては、日本語に関する簡単な試験を実施する場合もあります。
実際に僕の友人も日本語に関する、簡単な試験を受けたそうです。
幸い、僕はそのような試験は受ける必要がありませんでしたが、ネームバリューの大きな企業などでは実施される可能性が高いです。
とはいえ、日本人であれば当たり前に解ける内容なので、それといった準備は必要ありません。
⑤最終審査・契約完了
書類審査とオンラインでの面接に問題がなければ、晴れて採用となります。
採用通知が担当者からきた後に、正式な会社からの“Offer Letter(オファーレター)”が送付されます。
Offer Letterには、給料システムや福利厚生、労働条件、出社日などが記載されていますので、必ず細部まで確認した上で署名するようにしてください。
万が一、Offer Letterの内容に問題がある場合は、必ず担当者に尋ねるようにしましょう。
Offer Letterはいわば労働契約書になりますので、サインした後に間違いに気付いても契約期間が切れるまでは、契約書の内容を変更することはできません。
また、給料や福利厚生に関する交渉はこの時点で行うのがおすすめです。
「バックグランドチェック」とは、採用を検討している候補者の過去の経歴や背景を調査することを指します。
具体的には、前職での勤務実績、学歴、犯罪歴などが確認されることが多いです。
企業は候補者が正確かつ真実に情報を提供しているか、またその人物が企業の信頼や価値観に合致しているかを判断します。
フィリピンの給料と所得税の実情

フィリピンでの就職を考える際、給与や税金の情報は非常に重要です。
日本とは異なる給与体系や税制が存在するため、事前にしっかりと理解しておくことで、後々の生活設計やキャリアプランに役立てることができます。
ここでは、フィリピンでの給与と所得税の実情について詳しく解説します。
フィリピンでの給与事情
日本人がフィリピンで働く場合、駐在員と現地採用(日系企業、外資系企業)で全く額面金額が異なります。
駐在員であれば日本法人の企業で働くことになるため、現地ではかなり良い給料と福利厚生を受けられるでしょう。
一方、現地採用で日系企業に就職する場合は、駐在員のような高い給料と福利厚生は見込めません。
ただ現地採用でも外資系企業であれば、業界によってはかなり良い待遇で就職することが可能です。
所得税の割合とその影響
フィリピンの所得税は、日本と同じように所得の金額に応じて段階的に上がる累進課税制度が採用されています。
所得税率は、年収に応じて5%から35%の税率(2023年10月時点)です。
当然ながら日本人の給料はフィリピン人よりも圧倒的に高いため、最高税率である35%が適応されます。
求人情報の給料額をみる際には、必ず額面(税引前)か手取り(税引後)か確認するようにしてください。
「税金が高くても生活費が日本よりも安いから、どうにかなるはず。」と考えている人もいるかも知れません。
しかしながら、インフレと円安の影響によりフィリピンでも年々物価が上昇しており、以前のようなコスパの良い暮らしをするのは難しい状況です。
年代別のフィリピン就職事情

年齢やキャリアステージによって、フィリピンでの就職や転職におけるチャンスや課題は異なります。
ここでは、年代別のフィリピンでの就職事情を詳しく解説し、あなたのキャリアステージに合わせた最適なアドバイスを提供します。
20代:新卒や若手の求人事情
20代は、キャリアをスタートさせる大切な時期です。
フィリピンでは、特に日本語能力を持つ若手に対する需要が高まっています。
実際に僕の知り合いの方でマニラのBGCエリアの企業で、現地採用として働いている新卒の方もいます。
彼は手取りは月24万円ほどもらっており、毎月5〜8万円ほど貯蓄できているようです。
- 求人の特徴:コールセンターや教育、IT関連の業界での求人が多い。
- アドバイス:英語力や専門スキルを磨くことで、より多くのチャンスを掴むことができます。
30代・40代:キャリアアップのチャンスと挑戦
30〜40代は、キャリアの中盤を迎える時期。フィリピンでは、経験やスキルを活かしたマネジメントポジションの求人が増えてきます。
フィリピンに限らず諸外国ではキャリア採用が一般的であるため、30〜40代にもなるとある程度の経験と実績などが求められます。
例えば、IT業界だと日本語・英語のスキルはもとより、Webマーケティングやプログラミングなどの専門性が求められるでしょう。
- 求人の特徴:マネジメントやリーダーシップを求められるポジションが増加。
- アドバイス:フィリピンの文化やビジネス環境を理解し、現地のチームとのコミュニケーション能力を高めることが求められます。
50代以上:シニア層の求人事情とキャリアチェンジ
50代以上のシニア層には、長年の経験や知識を活かし、フィリピンのビジネスシーンで新たな挑戦をするチャンスが広がっています。
60代の方は「フィリピンは物価が安いから、年金だけでも生活できるかも…」といった安易な考えで移住してしまうと痛い目にあうため、まずは就職の可能性を模索するのが賢明です。
東南アジア諸国でも年々物価が上昇してきており、円安も相まって貯金や年金だけで生活するのは難しくなってきています。
そのため、まずは就職を前提に移住を検討するのがおすすめです。
- 求人の特徴:コンサルタントやアドバイザーとしてのポジションが増えてきます。
- アドバイス:これまでのキャリアを振り返り、フィリピンの市場にどのように貢献できるかを考えることで、新たなキャリアの道が開かれます。
フィリピン就職で求められる英語力

フィリピンで就職するというと、どうしても気になるのが英語力ではないでしょうか。
英語力に関しては、あるに越したことはありませんが、正直そこまで高いレベルの英語スキルは求められていません。
実際に僕の英語スキルはTOEIC420点ほどですし、英検でいったら3級程度のレベルです。
英語力はあくまでも補助的なものであり、それよりも重要なのは実業務における専門性です。
特定の業種ですでにある程度の実績やスキルがあることを証明できれば、英語力に関してはそれほど気にされません。
英語に全く自信がない人へのおすすめの学習法と対策
現時点で全く英語力に自信がない方は、今日からでも始められるオンライン英会話をおすすめします。
日本で最低でも100時間ほどオンライン英会話を活用して学習すれば、ある程度は英語での会話に慣れることができます。
実際に僕も7年ほどオンライン英会話(ネイティブキャンプ)で学習を行っていますが、最初は全く話せませんでした。
二つ目の方法としては、就職する前にセブ島で語学留学することです。
3ヶ月〜半年ほど語学留学を行い詰め込んで学習すれば、日常英会話レベルには上達するはずです。
セブ島での語学留学であればアメリカやカナダ、オーストラリアなどと比較して、かなり費用を抑えることができます。
また、語学留学後に現地就職するケースはとても多いため、珍しいことではありません。
未経験や新卒のフィリピン就職事情

未経験からのフィリピン就職は決して難しくありません。多くの企業が、未経験者を積極的に採用しています。
例えば日本人向けのカスタマーサポートであれば、未経験でも就職できる可能性があります。
コールセンターの仕事に関しても、現状はまだまだ日本人のニーズがあるため、未経験者でも就職可能です。
ただし、将来的には生成AIツールに置き換えられる可能性もあるため、今後のキャリアプランを考えた上で判断すべきでしょう。
他の手段としてはフィリピンで一度、語学留学した後に学校の紹介で就職する方法です。
語学学校の紹介であれば新卒・未経験に関係なく、就職できる可能性が高いです。
マニラとセブの就職事情と生活費の違い

フィリピンでの就職を考える際、多くの日本人が目を向けるのは首都マニラと、ビーチリゾートで知られるセブの2つの都市です。
これらの都市は経済状況や生活環境、生活費においても大きな違いがあります。
ここでは、マニラとセブの就職事情と生活費の違いを詳しく解説します。
両都市の経済状況と求人市場の特徴
マニラ | セブ |
---|---|
・フィリピンの経済・政治の中心地であり、多くの国際企業や大手企業がオフィスを構えている。 ・IT、金融、サービス業などの求人が豊富で、日本人向けの求人も多い。 ・競争が激しいため、高度なスキルや経験が求められることも。 | ・観光業が盛んで、リゾート地としての側面が強い。 ・ITアウトソーシングやコールセンターの求人が増えており、日本人の需要も高まっている。 ・語学学校での日本人スタッフ募集が多い。 ・マニラに比べて競争はやや緩やかで、英語力を活かした職種が多い。 |
僕はマニラもセブ島も両方とも住んだ経験がありますが、双方全く異なる環境です。
求人数でいえば圧倒的にマニラの方が多く、給料や福利厚生もセブ島の求人と比較してかなり良い待遇の求人案件が多いです。
出来るだけ多く稼ぎたいという人は、マニラでの就職がおすすめでしょう。
逆に生活環境を重要視している人は、セブ島での就職がおすすめです。
生活環境や文化の違い
マニラ | セブ |
---|---|
・大都市特有の喧騒と活気があり、交通渋滞や人口密度の高さが特徴。 ・西洋文化とアジア文化が融合した独特の雰囲気。 ・エンターテインメントやショッピング施設が充実。 | ・リゾート地としての落ち着いた雰囲気が漂う。 ・自然環境が豊かで、ビーチやダイビングスポットが点在。 ・地域ごとの伝統文化やフェスティバルが魅力。 |
生活環境に関しては、セブ島の方が優れているといえます。
マニラは交通量がセブ島よりも非常に多く、たまに空気汚染などの公害が問題視されることも珍しくありません。
雨季時期になるとマニラ市内では、よく道路が冠水するためそのような面から見ても生活環境は日本と比較してかなり悪い印象です。
ただ、一部地域のマカティやGBCなどのビジネス街は整備されているため、冠水を心配する必要はないでしょう。
対してセブ島は空気汚染などに関しては、マニラと比較するとそこまでひどくはありません。
ただし、雨季時期になると場所によっては道路が冠水するため、住む場所を決める際には事前に確認するようにしましょう。
マニラとセブの生活費の比較
項目 | マニラ | セブ |
---|---|---|
住居費 (コンドミニアム・スタジオタイプ) | 平均25,000ペソ (約6.6万円) | 平均20,000ペソ (約5.3万円) |
水道光熱費 (電気代・水道代) | 約3,800〜5,000ペソ (約1〜1.3万円) | 約2,500〜3,000ペソ (約0.66〜0.8万円) |
食費 | 約11,300〜19,000ペソ (約3〜5万円) | 約11,300〜19,000ペソ (約3〜5万円) |
交通費 | 約3,000ペソ (約0.8万円) | 約3,000ペソ (約0.8万円) |
娯楽費 | 約19,000〜38,000ペソ (約5〜10万円) | 約19,000〜38,000ペソ (約5〜10万円) |
合計 | 約62,100〜90,000ペソ (約16.4〜23.8万円) | 約55,800〜83,000ペソ (約14.7〜21.9万円) |
実際に両方の都市で生活をしてみましたが、物価に関しては若干マニラが高い印象です。
特にコンドミニアムの家賃相場がどうしても首都圏になると高くなるため、出来るだけ安く抑えいたい方は、郊外のコンドミニアムを検討すると良いでしょう。
ただし、会社からあまりにも遠くのコンドミニアムを選んでしまうと毎日の通勤が大変になるため、出来るだけ会社に近い場所がおすすめです。
フィリピンでのコンドミニアムの選び方と注意点

フィリピンでの生活を始める際、多くの日本人が選ぶ住居として「コンドミニアム」があります。
しかし、フィリピンのコンドミニアムの特徴や、契約時の注意点は日本とは異なる点が多いため、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
ここでは、フィリピンでのコンドミニアムの選び方や注意点について詳しく解説します。
フィリピンのコンドミニアムの特徴
フィリピンのコンドミニアムは、日本のタワーマンションのような物件で、広くて綺麗な上、家具家電も揃っているため、引っ越しの荷物が少なくて済みます。
セキュリティ面では、入り口に24時間体制で警備員が常駐し、定期的に見回りも行われているため、安心して暮らすことができます。
フィリピンのコンドミニアムには、広々とした自然溢れる公園や、商業施設、レジャー施設などが近隣に存在することが多いです。
コンドミニアムを借りる方法・流れ
- オンラインサイト:フィリピンには多くの不動産情報サイトがあり、そこで希望のエリアや予算に合わせて物件を検索することができます。
- 不動産エージェント:地元のエージェントに依頼することで、希望に合った物件を紹介してもらえます。
フィリピンでコンドミニアムを探すなら「Lamudi」と「Market place(Facebook)」がおすすめです。
実際に物件を訪れ、部屋の状態や周辺環境を確認します。この際、交通の便や近隣の施設(スーパー、病院、学校など)もチェックしておきましょう。
月額の家賃や敷金、礼金、契約期間などの条件をオーナーやエージェントと交渉します。契約期間は、基本的に半年もしくは1年間です。オーナーによっては、3かヶ月間から契約することもできます。
契約書にサインし、初月の家賃を支払います。合わせて1〜3ヶ月分のデポジットを支払う必要があります。この際、領収書を受け取ることを忘れずに。
指定された日に物件に入居します。入居時には、部屋の状態を確認し、傷や汚れなどがないかチェックしておきましょう。事前にスマホで写真を撮っておくと、後々の証拠になります。
借りる際の契約や手続きの注意点
- 契約期間:一般的には半年〜1年契約が基本。短期間の契約を希望する場合は家賃が高くなることがある。
- デポジット:契約時に2〜3ヶ月分の家賃をデポジットとして支払うのが一般的。
- 家賃の支払い方法:銀行振り込みや現金払いが主流。クレジットカードでの支払いは少ない。
- 契約更新:契約期間が終了する前に更新の意向を伝える必要がある。更新しない場合はデポジットの返却が遅れることがある。
フィリピンで働くために必要な労働ビザ

フィリピンでの就職や長期滞在を考えている方にとって、ビザの取得は避けては通れない大切なステップです。
ビザの種類や取得の手続きは複雑であり、正確な情報を知らないと手間がかかることも。
ここでは、フィリピンで働くために必要な労働ビザの種類や、その取得手続きについて詳しく解説します。
フィリピンでの就職・長期滞在のためのビザの種類
- 9(G)ビザ:外国企業やフィリピンの企業での正規雇用を前提とした労働ビザ。
- 9(A)ビザ:商談や会議への参加などの商用、観光、療養など。
- 9(F)ビザ:就学。外国籍の18歳以上が取得可能。
- 9(D)ビザ:商業活動や投資を目的としたビザ。
- 13(A)ビザ:フィリピンの市民と結婚している外国人が取得できる永住ビザ。
- 特別就労許可 (SWP):短期間の業務のための許可。
フィリピン就職する場合は、一般就労ビザ(Prearranged Employee Visa)である9(G)ビザが必要になります。
就労ビザの取得に関しては、会社側が行なってくれる場合がほとんどですが、就職先によってはご自身で手続きを行う場合もあります。
9(G)ビザを取得すれば最長2年間は、フィリピンで働くことが可能です。その後、継続して働く場合は延長手続きが必要になります。
また、フィリピンでは観光ビザだけでも都度更新すれば、最長3年間は滞在可能です。
就労ビザ(9G)取得の手続きと必要な書類
就労ビザを取得するためには、外国人雇用許可書(AEP)や外国人登録書(ACR I-Card)も必要です。
ビザの取得には2〜3ヶ月の時間がかかることが一般的で、ビザの有効期間は通常2年です。
- 申請用紙(Consolidated General Application Form: CGAF)の準備
- 事前審査のための必要書類の提出
- 申請のための手数料の支払い
- 領収書のコピーを申請窓口に提出
- 面接
- 入国管理局の外国人登録部に外国人登録に必要な書類を提出。同時にACR I-Card用の写真撮影及び指紋採取
- 承認されたビザの内容記入と押印のためパスポートを提出
- ACR I-Cardを受け取る
以下は、労働ビザ申請の際に必要となる書類です。
- 雇用主である会社と本人共同の申請要請レター
- 一般就労ビザ申請書(CGAF)
- 雇用主の納税証明書、会社定款、登記簿
- 年次財務報告書および会社定款のコピー
- 公証人の証明付申請書および雇用契約書の原本
- パスポートのコピー及び本人履歴書
- 外国人雇用許可書(AEP)のコピー
- その他その都度要求される追加書類
- 上位1000社以上:1年 = 10,630ペソ, 2年 = 18,170ペソ, 3年 = 25,710ペソ
- 上位1000社以下:1年 = 10,130ペソ, 2年 = 17,170ペソ, 3年 = 24,210ペソ
- 外国人登録書(ACR I-Card)の申請手数料:1年 = 50US$, 2年 = 100US$
最新情報は、フィリピン公式のイミグレーションサイトで確認できます。
フィリピンでの健康保険事情

フィリピンでの就職を考えている方にとって、健康保険は非常に重要なポイントの一つです。
ここでは、フィリピンでの健康保険の取得方法や、その内容について詳しく解説します。
会社が提供する保険の内容とカバー範囲
フィリピンの多くの企業は、従業員に対して健康保険を提供しています。
民間保険は、病気や怪我の治療費をカバーするもので、内容や範囲は企業によって異なります。
- 通院治療費
- 入院治療費
- 手術費用
- 薬代
全ての病気や治療がカバーされるわけではないため、具体的な内容は雇用契約書や保険の説明書をしっかりと確認することが必要です。
フィリピン政府の国民保険制度とその利用方法
フィリピンには、国民全員を対象とした「PhilHealth(フィルヘルス)」という国民保険制度が存在します。
この制度は、低所得者や高齢者などを中心に、医療費の一部を補助するものです。
- 所得に応じた保険料
- 全国の指定医療機関での利用が可能
- 一部の病気や手術に対しての補助がある
外国人もこの制度を利用することができますが、加入手続きや必要な書類はフィリピン移民局やPhilHealthの公式サイトで確認することができます。
個人での追加保険の必要性と選び方
会社提供の保険やPhilHealthだけでは、十分なカバーが得られない場合があります。
特に、長期滞在や家族との生活を考えている場合、個人での追加保険の加入を検討することがおすすめです。
- 必要なカバー範囲を明確にする
- 保険料と補償内容を比較する
- 保険会社の評判や対応を確認する
- 必要に応じて保険の専門家に相談する
フィリピンでの生活を安心して楽しむためには、適切な健康保険の選択が欠かせません。
自身の健康や生活環境を考慮して、最適な保険を選ぶことが大切です。
フィリピンでの銀行口座の開設方法

フィリピンで働くとなると毎月の給料を受け取るための、銀行口座が必要になります。
銀行口座をフィリピンで開設するためには、各銀行機関の窓口で直接手続きを行うか、オンラインで申請して口座開設するかの2つの方法が挙げられます。
ここでは、おすすめの銀行機関と銀行口座の開設までの流れに関して、ぞれそれ詳しく解説します。
フィリピンで日本人おすすめの銀行機関
フィリピンで働く際に現地の銀行口座を保有しておくと、日本の銀行口座へ送金する際や他のビジネスを行う際などに非常に便利です。
フィリピンで普及しているQRコード決済アプリ「Gキャッシュ」への入金も銀行口座を保有していれば、直接アプリに入金することができます。
以下は、フィリピンでおすすめの銀行機関です。
BDO (Banco de Oro)
- 特徴:フィリピン最大の銀行で、支店やATMが全国にあります。サービスが充実しており、日本語対応の窓口も一部の支店に設置されています。
- おすすめポイント:サービスが充実しており、安定した銀行サービスを利用することが可能です。
BPI (Bank of the Philippine Islands)
- 特徴:フィリピンで二番目に大きな銀行で、長い歴史を持つ信頼性の高い銀行です。デジタルバンキングのサービスも充実しています。
- おすすめポイント:オンラインバンキングが使いやすく、日本からの送金サービスも提供しています。
Metrobank
- 特徴:フィリピンの大手銀行の一つで、多くの日本企業が利用しています。日本語対応の窓口や日本語のオンラインサービスも提供しています。
- おすすめポイント:日本人向けのサービスが充実しており、日本との取引が多い人には特におすすめです。
銀行口座の開設までの基本的な流れ
- 有効なパスポート
- ACR I-Card(Alien Certificate of Registration): 長期滞在者に必要
- 住所を証明する書類(例:電気や水道の請求書)
- 2枚のパスポートサイズの写真
- フィリピンには多数の銀行がありますが、BDO, BPI, Metrobank などが大手として知られています。
- 住んでいる場所や勤務先の近くに支店がある銀行を選ぶと便利です。
- 当座預金口座(Checking Account)や普通預金口座(Savings Account)など、目的に応じて口座の種類を選びます。
- ATMカードやデビットカード、通帳などが必要な場合は、別途申込が必要です。
- 銀行の窓口で口座開設の申し込みを行います。
- 必要な書類を持参し、銀行員の指示に従って手続きを進めます。
- 初回の入金額や維持バランスに関する情報を確認し、指定された金額を預け入れます。
- 指定された日に、再び銀行窓口を訪問します。
- 手続きが完了している場合、ATMカードやデビットカード、通帳が発行されます。
フィリピンの食事と食文化

フィリピンの食文化は、その歴史や多様な民族から影響を受けてきたものです。
独自の風味や調理法があり、多くの日本人にとって新しい発見があるかもしれません。
ここでは、フィリピンの食事の特徴や、日本人がフィリピンでの食生活を楽しむためのポイントをご紹介します。
フィリピンの代表的な料理と食事の習慣
フィリピン料理は、スパイシーで濃厚な味付けが特徴的です。
以下は、フィリピンの代表的な料理の一部です。
- アドボ:鶏肉や豚肉を醤油と酢で煮込んだ料理。
- シニガン: 酸味のあるスープ料理で、豚肉や魚を使用することが多い。
- ハロハロ:色とりどりの果物や豆、氷を混ぜたデザート。



フィリピンの食事の習慣としては、1日3回の食事が基本で、ご飯を中心とした料理が多いです。
また、家族や友人との食事の時間を大切にする文化があります。
フィリピンでの食材の購入方法や価格帯
フィリピンでは、スーパーマーケットやローカルマーケットで食材を購入することができます。
- スーパーマーケット:基本的な食材から輸入食品まで幅広く取り扱っています。価格帯は、日本よりも高いか少し安いくらいです。大型モールなどに隣接しています。
- ローカルマーケット:新鮮な野菜や魚を手頃な価格で購入することができますが、衛生面に注意が必要。都市部の中心地よりも離れた場所にあることが多く、買い出しに行くまでに時間がかかるのが難点です。
価格帯としては、日本よりも食材は安価ですが、輸入食品や高級食材は高価になることがあります。
生活費を抑えるためには、地元の食材を中心に購入するとよいでしょう。
フィリピンでの食事の注意点
フィリピンでは、日本のように水道水をそのまま直接飲むことができません。
そのため、毎回飲み水に関してはボトルで購入する必要があります。
自炊する際も水道水をそのまま料理に入れることはNGです。パスタを茹でたりする程度であれば、問題ありません。
また、ナイトマーケットなどで屋台の料理を食べる際には、食中毒になる可能性もありますのでくれぐれも注意しましょう。
まとめ:フィリピンでの就職を成功させるためのポイント

フィリピンでの就職は、新しい文化や環境に触れる魅力的な経験となりますが、その一方で様々な課題や困難に直面することも考えられます。
成功への道をスムーズに進むために、次のポイントを心掛けてみましょう。
- 情報収集:フィリピンの経済状況や求人市場、生活環境など、幅広い情報を事前に収集し、自分のキャリアプランに合わせて適切な選択を行うことが大切です。
- 英語力の向上:フィリピンでのビジネスの主要な言語は英語です。日常会話だけでなく、ビジネスシーンでのコミュニケーションもスムーズに行えるよう、継続的な学習を心掛けましょう。
- 人脈作り:現地の人々や他の日本人との関係を築くことで、ビジネスや生活の情報交換が行え、サポート体制を整えることができます。
- 文化の理解:フィリピンの文化や習慣を尊重し、地域社会との調和を図ることで、より良い職場環境や生活を築くことができるでしょう。
- 健康管理:異国の気候や食事による体調不良を防ぐため、健康管理を徹底し、必要な保険を選択することも大切です。
フィリピンでの就職は、自分自身の成長や新しい価値観の発見といった魅力が詰まっています。
上記のポイントを参考に、フィリピンでの新しいキャリアを成功させるための一歩を踏み出してみてください。
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