- 仮想通貨はポートフォリオの何%保有するのが適切?
- 実際に投資するならどの仮想通貨がおすすめなの?
仮想通貨ブームに伴い保有している投資のポートフォリオに、人気が高い仮想通貨の銘柄を加える投資家が、最近は多くなってきました。
仮想通貨は非常に市場価格の変動が激しく、ひと月に10〜30%ほど価格が動くことも珍しくありません。
ボラティリティが高い特徴を活かして、短期的なトレードで儲けを出している人も意外に多いです。
しかしながら、短期的なトレードはギャンブル性が高い上に、大概が損してしまいます。
長期間を前提に仮想通貨へ投資を行うのであれば、その将来性を考えた上でポートフォリオ全体の数%の保有が、妥当だといえるでしょう。
本記事では、仮想通貨投資におけるポートフォリオの作り方や、考え方等を初心者にも分かりやすく解説しています。
- 仮想通貨は投資ポートフォリオの3〜5%が適切である
- 仮想通貨ポートフォリオを作る際にはリスクレベルを考慮する
- 仮想通貨へ投資するメリット・デメリットを十分把握する
仮想通貨のポートフォリオ割合は3〜5%ほどが適切
仮想通貨を投資ポートフォリオに組み込む場合、多くの投資家がポートフォリオ全体の3〜5%ほどの割合に留めています。
仮想通貨は他の金融商品とは異なり、かなり価格変動リスクが高く保有割合が多くなると、どうしてもポートフォリオ全体に影響が出てしまうからです。
その点、ポートフォリオ全体の3〜5%ほどであれば、仮に仮想通貨の全体の価格が大暴落しても、ポートフォリオに与える影響は少なくて済みます。
仮想通貨のポートフォリオ保有割合を公開
グラフは、筆者自身の現在の投資ポートフォリオです。
大半が米国株ETFに投資しており、そのほかは現金(円)として生活防衛資金を銀行預金に預けています。
仮想通貨が占める割合は3%とかなり少ないですが、会社員ではなくフリーランス(個人事業主)なので、それ程大きなリスクは取れません。
仮想通貨に限らず投資を行う際には、あなたの置かれている立場を踏まえた上で、どれだけリスクが取れるのか慎重に判断する必要があります。
投資におけるポートフォリオの目的と役割
投資においてポートフォリオを作る目的としては、主に3つ挙げられます。
- 資産の配分を明確にする
- リスク分散を行い、安全にリターンを得る
- 万が一の事態に直面しても落ち着いて対処する
ポートフォリオを形成することで、資産配分を明確に見える化できる上に、多種多様な金融商品に分散投資を行うことでリスク分散が行えます。
投資リスクの一つに「価格変動リスク」が挙げられますが、ポートフォリオを組んでおけば一部の金融商品が暴落しても、全体で見れば大きな影響にはなりません。
逆に一つの金融商品だけに集中的に投資していると、常に価格変動が気になってしまい、本業に集中できない可能性もあります。
そのようなリスクに備えるためにも、投資においてポートフォリオの作成は、非常に重要な訳です。
仮想通貨をポートフォリオに組み込む3つのメリット
仮想通貨を投資ポートフォリオに加えるメリットとしては、主に3つ挙げられます。
- 将来性に期待できる
- インフレ対策につながる
- 大きなリターンが得られる可能性がある
将来性に期待できる
ビットコインをはじめとした仮想通貨の将来性は、かなり明るいと予測する専門家や投資家が多いです。
株式投資と比較するとその歴史はかなり浅いですが、お金の総流入量は年々上昇しています。
ビットコインの生みの親と呼ばれる「サトシ・ナカモト」が、ネット上に論文を公開した2008年10月31日。
当時からまだ20年も経っていませんが、NFTやメタバースなどの新しい技術が次々に生み出されており、今後私たちの社会に大きな影響を与える可能性があります。
インフレ対策につながる
日本は長い間ゆるいインフレ状態が続いていますが、昨今はウクライナ侵攻やコロナの影響もあり、特定の分野で物価上昇が見受けられます。
過度な円安は、日本経済にとってはかなり苦しい状況を招き、私たちの日常生活にも徐々に悪影響を及ぼすでしょう。
そのようなインフレ状態の中で、インフレ対策の一つとして仮想通貨に注目が集まっています。
金と並び「デジタルゴールド」と呼ばれるビットコインを、インフレ対策の一つとして保有する投資家も意外に多いです。
投資ポートフォリオ全体のバランス調整の材料としても、仮想通貨への投資は悪くない選択だといえるでしょう。
大きなリターンが得られる可能性がある
ビットコインを例に挙げると、2021年7月9日に最高値である「1BTC=777万円」を記録しています。
仮にあなたが2018年1月ごろに1BTC(当時80万円ほど)を購入していたら、3年ほどで約10倍近く価格が上昇していることになります。
一時期、仮想通貨ブームにより「億り人」というワードが、メディアで大変話題になりました。
彼らは運良く仮想通貨の価格上昇に乗ることができた人たちですが、今後も同じような急激な価格上昇が起きないとは言い切れません。
仮想通貨をポートフォリオに組み込む3つのデメリット
仮想通貨を投資ポートフォリオに組み込むデメリットとしては、主に3つ挙げられます。
- 市場価格の変動が激しい
- ハッキング被害等のリスクがある
- 仮想通貨の価値がなくなる可能性も考えられる
市場価格の変動が激しい
テレビでも「仮想通貨が暴落した」「仮想通貨が高騰している」などと度々報道されますが、価格変動の幅はかなり広く、激しいのが仮想通貨の大きな特徴です。
投資した直後に価格が大暴落して、いきなり大きな含み損を抱える人も珍しくありません。
仮想通貨によっては一ヶ月の間に30%前後も価格変動する銘柄もあり、一攫千金を狙って多額のお金を投資している人にとっては、気がきではないはず。
実際に仮想通貨へ投資する際には、必ず価格変動リスクを考慮した上で、適切なリスク管理を行いましょう。
ハッキング被害等のリスクがある
仮想通貨のハッキング被害による流出事件は、大変有名な話です。
どの流出事件も悪徳なハッカーによる、取引所システムに対する攻撃が原因とされており、仮想通貨そのものに原因がある訳ではありません。
2018年1月に起きたコインチェックのNEM(ネム)流出事件を例に挙げると、当時の被害額は約580億円とかなりの金額でした。
事件後は、日本人グループのハッカー達が複数人逮捕されており、被害総額580億円も全てコインチェックが負担し、ユーザーに返却しています。
その後は、国内取引所のセキュリティ強化を行うために、仮想通貨の取引所は金融庁への登録が必須となりました。
取引所を利用する際には、金融庁が承認している「暗号資産交換業者登録一覧」を確認した上で、検討するようにしましょう。
仮想通貨の価値がなくなる可能性も考えられる
パブリックチェーンと呼ばれる、極めて改ざんが難しいシステムによって仮想通貨は成り立っており、基本的には改ざん不可能とされています。
しかし、万が一仮想通貨を支えるパブリックチェーンが改ざんされた場合、その日のうちに市場価格がゼロになる可能性はかなり高いです。
せっかくコツコツ仮想通貨へ投資したとしても、一度改ざんされてしまうと、たちまちただのデジタル上の数字になってしまう訳です。
仮想通貨ポートフォリオのおすすめの作り方【簡単3ステップ】
仮想通貨のポートフォリオを作成する際の、3つの手順に関してご紹介します。
- 最初に予算を決める
- 投資する仮想通貨の銘柄を決める
- 保有銘柄の割合を決める
最初に予算を決める
どのような金融商品に投資を行うにしても、まずは予算を決めることが大切です。
いつどのタイミングでどのような銘柄に投資を行うのかなどは、予算が決まっていないと次に進めません。
仮想通貨へ投資を行う予算を決める際には、投資ポートフォリオ全体の3〜5%が適切です。
例えばあなたの投資ポートフォリオの総額が100万円とするならば、3〜5万円ほどが仮想通貨投資への予算となります。
また、月々小額ずつ積立投資を行いたい人であれば、毎月の総収入額の1〜3%ほどが良いでしょう。
例えばあなたが月々30万円の手取り収入を得ているのでれば、毎月3,000円〜1万円ほどを仮想通貨の積立投資に充てるのが現実的です。
【関連記事】
仮想通貨(ビットコイン)の積立投資のやり方!メリットやデメリットも解説
投資する仮想通貨の銘柄を決める
仮想通貨へ投資する予算が決まった人は、次に実際に投資する仮想通貨の銘柄を決めます。
仮想通貨は、既に約7,000種類以上の銘柄が市場に出回っており、その中から初心者が選ぶのは至難の技といえるでしょう。
将来性は銘柄ごとに異なる上に、総じて価格変動リスクがかなり高い特徴があります。
中には「ステーブルコイン」と呼ばれる価格が安定した銘柄もあります。
各銘柄の特徴をしっかりとあなた自身で把握した上で、どの仮想通貨へ投資するか慎重に判断しましょう。
保有銘柄の割合を決める
投資対象となる具体的な仮想通貨がある程度決まった人は、次にどの銘柄をどの程度の割合で保有するか決めましょう。
各銘柄の保有割合によって、仮想通貨ポートフォリオ全体のリスクレベルが異なります。
ハイリターンを期待してアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の名称)の保有割合が多くなってしまうと、その分リスクも大きくなります。
逆にビットコインやイーサリアム等の、時価総額が大きい仮想通貨の保有割合が多い人は、前者と比べて投資リスクは低くなるでしょう。
攻めのポートフォリオを作るのか、それとも守りのポートフォリオを作るのか、あなたの保有割合のさじ加減によって分かれます。
仮想通貨ポートフォリオの参考例【リスクレベル別】
仮想通貨ポートフォリオを組む際の参考例として、投資リスク別にモデルケースを3つご紹介します。
- ローリスク・ローリターン
- ミドルリスク・ミドルリターン
- ハイリスク・ハイリターン
ポートフォリオを組む際の要点としては、どのような銘柄をどの程度の割合でそれぞれ保有するかです。
アルトコインと呼ばれる、マイナーな仮想通貨の保有割合が多ければリスクは高いでしょう。
逆にビットコインをはじめとした、時価総額が大きい銘柄の保有割合が多ければ、リスクは低く見積もられます。
ローリスクな仮想通貨ポートフォリオの割合
グラフは、ご紹介している仮想通貨ポートフォリオの中でも、一番リスクが低い組み合わせです。
ビットコインの保有割合が8割で、そのほかアルトコインが2割を占めています。
基本的に組み合わせる仮想通貨の数は、3〜4銘柄ほどが管理しやすく分散投資の効果もあり、非常におすすめです。
ビットコイン以外の銘柄(アルトコイン)は、あくまでも参考例です。
銘柄の特徴を十分調べた上で、組み合わせるようにしてください。
ミドルリスクな仮想通貨ポートフォリオの割合
ミドルリスクな仮想通貨ポートフォリオとしては、ビットコイン5割とアルトコイン5割の、非常にバランスが取れた保有割合です。
ビットコインが半数を占めていることで、仮に保有している一部のアルトコインの価格が暴落しても、ポートフォリオ全体で見れば影響は少ないでしょう。
基軸通貨と呼ばれるビットコインの割合が少なくなれば、それだけリスクが大きくなるため、保有割合の調整は慎重に行うようにしましょう。
ハイリスクな仮想通貨ポートフォリオの割合
グラフの仮想通貨ポートフォリオは、ビットコインが3割、アルトコインが7割と「ハイリスク・ハイリターン」を狙った組み合わせになっています。
アルトコインの中でも、更に時価総額が低い仮想通貨を「草コイン」と呼びます。
草コインの中には、稀に短期間で何十倍にも価格が跳ね上がる銘柄がありますが、その反面、短期間で一気に暴落する可能性も高いです。
まさに一攫千金を狙った、ギャンブルのような投資です。
草コインを組み込む場合は、保有割合を十分検討した上で判断するようにしましょう。
仮想通貨ポートフォリオを作る際の3つの注意点
仮想通貨ポートフォリオを作る際には、次の3つの項目に注意しましょう。
- ポートフォリオを管理する取引所は慎重に選ぶ
- 値動きの異なる仮想通貨を組み合わせる
- 年に1〜2回はリバランスを行う
ポートフォリオを管理する取引所は慎重に選ぶ
仮想通貨を購入する際には、必ず取引所で取引口座を開設する必要があります。
特に初心者の方は、信頼できる国内取引所のコインチェックやbitFlyer、DMMビットコインなどがおすすめです。
国内外さまざまな取引所が存在しますが、必ずユーザーの口コミや評判等を確認した上で、利用を検討するようにしましょう。
中には怪しい仮想通貨の取引所もありますので、運営会社やハッキング被害等の事件が起きていないかなども、必ずあなた自身で確認してください。
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値動きの異なる仮想通貨を組み合わせる
仮想通貨の多くは、ビットコインに連動して値動きを行う銘柄が意外に多いです。
同じ値動きをする仮想通貨を複数保有していても、価格変動リスクを抑えることはできません。
例えばビットコインとイーサリアムは、かなり似通った値動きをしています。
値動きが同じだと、ポートフォリオを組む意味がありません。
ポートフォリオを組む際には、必ず銘柄ごとに過去チャートを確認した上で、保有する仮想通貨を決めるようにしましょう。
年に1〜2回はリバランスを行う
リバランスとは、予期せぬ価格変動により一部の銘柄が高騰(もしくは下落)した場合、最初に定めたポートフォリオの割合に戻す作業をさします。
定期的にポートフォリオの割合を調整することで、リスク管理できる訳です。
逆にリバランスを行わないと時間と共に各銘柄の価格は変動しますので、当然抱えるリスクも変化します。
最初はローリスクのポートフォリオを組んでいたとしても、何もせずに放置しているとハイリスクな割合になっている可能性もゼロではありません。
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仮想通貨ポートフォリオの管理に役立つおすすめアプリ3つ
仮想通貨ポートフォリオの管理に役立つ、おすすめのアプリを3つご紹介します。
- Coincheck(コインチェック)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- DMMビットコイン
Coincheck(コインチェック)
- アプリダウンロード数国内No. 1
- 口座開設がアプリから簡単に行える
- 取引画面が見やすい、使いやすい
国内最大級の仮想通貨取引所である「コインチェック」は、アプリダウンロード数No. 1の最もおすすめできる取引所です。
使い勝手の良さはもちろんのこと、アプリ画面のデザインもシンプルで初心者でも簡単に操作できます。
アプリからの無料口座開設も容易に行えますので、まだ取引口座をお持ちでない方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
bitFlyer(ビットフライヤー)
- かんたん操作で取引可能
- 世界的にセキュリティレベルが高い水準である
- 入金・出金・送金・取引などがスマホアプリだけで完結
100円から気軽に仮想通貨へ投資が行えるアプリとして有名な「bitFlyer」は、スマホアプリで全ての機能が利用できる優れものです。
高機能なツールもパソコン同様にスマホアプリで使えるようになっており、セキュリティレベルも世界的に高い水準なので安心して利用できます。
スマホアプリ画面は、初心者でも簡単に操作できるデザインですので、悩む必要もありません。
DMMビットコイン
- 分析機能ツールが優れている
- スマホアプリでもレバレッジ取引が可能
- レバレッジ取引の取り扱い銘柄は国内No. 1
仮想通貨でのレバレッジ取引を積極的に行いたい人に対して、おすすめできるのが「DMMビットコイン」です。
スマホアプリには高機能な分析ツールが搭載されており、アプリからでも気軽にレバレッジ取引が行えます。
取り扱い銘柄数も国内No. 1であり、スマホアプリからのスピード注文も可能です。
仮想通貨のポートフォリオに関するよくあるQ&A
仮想通貨のポートフォリオに関する多くの質問の中から、特に多かった内容だけ絞って分かりやすく回答をまとめてみました。
Q:仮想通貨は2030年まで生き残りますか?
実際に2030年まで仮想通貨が残っているかは、正直なところ誰にも分かりません。
既に多くの有名な投資家が仮想通貨を保有しており、日本でも投資ポートフォリオの一部に加えている人がかなり多いです。
国によってはビットコインを公的通貨として認めているところもあるため、仮想通貨自体がなくなる可能性は極めて低いといえます。
Q:仮想通貨投資はビットコインだけでも十分では?
仮想通貨の中でも、基軸通貨と呼ばれる最も信頼性が高いビットコインだけに投資するのも、一つの方法です。
周りがやっているから自分もやるのではなく、あなたの投資ポートフォリオ全体でみて判断する方が良いでしょう。
Q:仮想通貨よりも金に投資した方がよくないですか?
デジタルゴールドとも呼ばれるビットコインですが、投資ポートフォリオ全体で考えると、その扱いは金とそれほど変わりありません。
実際に仮想通貨へ投資する投資家の多くは、金同様にインフレ対策としてポートフォリオの3〜5%ほど、保有している人が大半です。
どちらに投資するにしても、それぞれの特徴を十分理解した上で判断しましょう。
Q:仮想通貨の保有はポートフォリオ10%割合だと多いですか?
投資において取れるリスクの度合いは、人によって異なります。
年収1,000万円の人と年収300万円の人とでは、投資に割けるお金の割合が異なるように、取れるリスクの割合も異なる訳です。
あなた自身が置かれている状況から考えて「10%でも大丈夫」だと判断できるのであれば、問題ないでしょう。
仮想通貨のポートフォリオは各銘柄の特徴を把握した上で作ろう
仮想通貨を投資ポートフォリオへ組み込む際には、全体の3〜5%が適切であると解説しました。
実際に仮想通貨ポートフォリオを作る際には、必ずあなた自身で銘柄別の特徴を十分調べた上で、適切なリスクを取るようにしましょう。
間違っても短期間で一攫千金を狙ったような仮想通貨投資は、行わないようにしてください。
仮想通貨は総じて価格変動リスクが高いため、短期投資はギャンブルになりやすいです。